「投機」は悪いことのようにいわれる傾向があります。しかし、投機にも投資にも良し悪しはありません。それぞれ特徴が異なるだけです。
あなたは投資と投機の違いを正しく理解していますか?
今回の記事では、投資と投機の違いを分かりやすくお伝えします。違いを理解すれば、あなたがどちらの方法で仮想通貨を購入すればよいかがみえてくるでしょう。
私は、きちんと理解せずに仮想通貨を購入して大失敗した経験があります。私と同じ失敗をする人がいなくなればと思い記事にしました。
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記事の前半では投資と投機の違いについて、後半ではそれぞれに向いている人の特徴をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
投機と投資とギャンブルの違い
「投機」「投資」「ギャンブル」3つの違いは資金を託す目的です。どれも利益を得るために資金を託す行為ですが、明確な違いは定義されていません。そのため、3つの言葉を混同して使われる傾向があります。
特に、「投機」と「投資」は同じ意味と捉えている人も多いでしょう。しかし、それぞれは大きな特徴で区別されています。具体的な違いを以下でご紹介しますので、参考にしてください。
投資とは
投資は商品の価値に期待して資金を投じる行為です。
例えば、製薬会社に投資する場合を想像してみてください。製薬会社では新しい薬の開発なども研究しています。薬が完成すれば多くの人々に役立つでしょう。薬が普及すれば製薬会社(商品)の価値が高まり、結果として利益を受けられるわけです。
つまり、将来的に役立つ技術やサービスを見極めて、その事業を支援するために資金を提供するのが投資といえます。
投機とは
一方で、投機は利益を一番の目的として資金を投じます。株のデイトレードが分かりやすい例でしょう。
デイトレードは、購入した株を当日や翌日などの短期間で売却して利益を得る取引方法です。投資と異なり利益を一番の目的としてるため、事業内容などは重視しません。株価の値動きに注目します。株価が上がるのか下がるのか、どのタイミングで売却するかなどを判断して取引をおこないます。
タイミング(チャンス)を利用して利益を得る行為が投機ともいえるでしょう。
ギャンブルとは
ギャンブルは娯楽を目的として資金を投じる行為です。具体例としては競馬やパチンコなどがあります。
短期間で収支が分かるので投機とも混同されますが、大きな違いは取引の仕組みです。 競馬でもパチンコでも、多くの場合は運営者に利益が多く分配されます。負ける人が多いほど運営者が勝つ仕組みです。投機の場合には、負ける人も勝つ人も50%の確率なのでギャンブルと異なります。
ギャンブルはこうした仕組みを理解して資金を投じる行為のため、娯楽が目的といえます。
投機になるか投資になるかは同じ商品でも違う
投機や投資の違いは目的です。したがって、同じ商品でも、目的によって投資となるか投機となるかが異なります。3つの違いを簡単にまとめると以下のとおりです。
AさんがX社の価値を期待して株を購入したので投資。
BさんはX社の値動きに期待して株を購入したので投機。
CさんはX社のパチンコ台を利用したのでギャンブル。
どれも利益を期待して資金を託しますが、目的の違いにより異なる行為だと分かります。
仮想通貨は投機にも投資にもなる
仮想通貨における取引は「投機である」といわれる傾向にあります。値動きが激しく、株の取り引きで利用される分析手法などが通用しないからです。
仮想通貨にはブロックチェーンなどの新しい技術が利用されており、社会に役立つ技術として評価されています。世の中への普及を期待して投資する人も多いでしょう。しかし、いまだ世間に技術が浸透しておらず、将来性に不安を感じる人も多いため「投機である」と感じる人も少なくありません。そのため、仮想通貨は投機といわれてしまう傾向にあるのです。
今後は技術が広く認知され、実生活での利用機会も増えていくと予測できます。実際に、大企業であるMETA(旧Facebook)はブロックチェーンを活用したメタバースに期待して、社名を変更したほどです。
関連記事:日本経済新聞「Facebook、社名を「メタ」に変更 仮想空間に注力」
仮想通貨は投機としても捉えられる反面、投資としても大きく期待できる商品といえます。
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仮想通貨における投資と投機の例
実際の仮想通貨取引でも、投資と投機の違いが分かる事例がいくつもあります。今回は、分かりやすい事例として「ガチホ」と「IEO」についてご紹介します。
ガチホとは仮想通貨を「本気(ガチ)で保有し続ける(ホールド)」を省略した言葉です。値下がりなどがあっても手放さず、長期に渡って仮想通貨を保有する決意を表しています。仮想通貨の価値を期待して長期保有する投資の代表的な例です。
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IEOは、仮想通貨取引所が新たな仮想通貨を取り扱う際、事前に安価で通貨を購入できる仕組みです。IEOは厳しい審査をクリアしなければ取引所に取り扱ってもらえません。そのため、IEOを実施する仮想通貨は期待が高く、購入者が多くなります。取り扱いが始まると購入者が集中するため、IEO直後は値上がりするのが特徴です。
安値で購入して高値で売却すれば差額が利益となります。差額の利益を目的とした投機の代表的な例です。
仮想通貨投資と仮想通貨投機のメリット・デメリット
仮想通貨の投資と投機では、売却までの期間などに異なる特徴があります。資金を投じる際には、それぞれのメリットやデメリットを理解しなければいけません。予算や目的に適した手段を選ばなければ、望んだ結果から大きくそれてしまう可能性があるからです。あなた自身に適した手段を選択するためにも、それぞれの特徴への理解が重要となります。
以下ではそれぞれのメリットやデメリットを具体的に解説します。投資にも投機にも良し悪しはありません。あなたの状況に適した手段を選ぶために、ぜひ参考にしてください。
仮想通貨投資のメリット
まずは仮想通貨投資のメリットをご紹介します。メリットは以下の2点です。
詳しくみていきましょう。
短期間の値動きを気にしなくてよい
投資は短期間の値動きを気にする必要がありません。商品の価値が変動するのには時間がかかるからです。
製薬会社の例を想像するとイメージしやすいでしょう。新薬の開発には時間がかかり、世間に広まるまでにも時間がかかります。会社の価値が評価されるのにも時間がかかるため、短期間での値動きを気にしなくてよいのです。
日々の値動きに振り回されることなく、落ち着いた心境で運用できるので精神的な負担がなくなります。
複利を活用できる
複利とは、投資によって得た利益を再投資して利益率を高める仕組みです。投資において最も大きなメリットが複利といえるでしょう。
例えば、100万円を年利10%で運用する場合、1年目の利息は10万円(=100万円×10%)となります。しかし、2年目は元金の100万円に加えて利息の10万円も投資するため、利息は11万円(=110万円×10%)です。さらに、3年目は12万1,000円、4年目は13万3,100円と年々上昇していきます。
利益率を高めて、得られる利益を増額してくれるのが複利の効果です。時間をかけて投資するほど、複利の恩恵は大きくなります。
仮想通貨投資のデメリット
メリットがある一方でデメリットも存在します。仮想通貨投資の主なデメリットは以下の2点です。
成果がでるまでに時間がかかる
売却のタイミングが難しい
それぞれの具体的な内容をご紹介します。
成果がでるまでに時間がかかる
基本的に投資は時間がかかります。投資した商品が、翌日にいきなり価値が上がるなんてほとんどありません。価値が高まるのには過程が必要になります。
まずは世間の需要が必要です。誰も必要としていない商品に価値はありません。誰かに求められて初めて価値が生まれます。
次に品質が必要です。需要があっても、それを満たせる商品でなければ誰も必要としないでしょう。例えば、病気を治す薬がほしいのに、効果が1時間しかもたない、病気以上の副作用がでるなどの商品では需要を満たせません。需要に応じた品質を提供してこそ、価値が高まります。
最後に認知が必要です。質の良い商品でも、1人にしか知られていなければ普及しません。多くの人が良い商品だと認知することで、社会的価値が高まり利益を得られるのです。
商品の価値は段階を経て高まっていくため、投資は成果がでるのに時間がかかります。投資の際には、数年単位で成果を待つ心構えが必要です。
売却のタイミングが難しい
売却時期の見極めも投資のデメリットに挙げられます。利益を得るためには、購入した商品を売却しなければなりません。しかし、長期保有していた商品の価値が上がると、さらなる期待を抱いてしまいます。「もっと価値が上がるかもしれない」「世間に普及するのは今からだ」などと考えてしまうからです。
加えて、長期で運用していると、社会情勢による企業の業績悪化や、製品開発の中止なども考えられます。期待していたほどの価値が生まれず、資金の損失へとつながる可能性もあるでしょう。
どの程度の利益で売却するか、どの程度の損失で売却するか、などを事前に決めておけば、タイミングを逃す危険性も少なくてすむかもしれません。
仮想通貨投機のメリット
次に仮想通貨投機のメリットをご紹介します。投機は悪いことのようにいわれる傾向もありますが、そんなことはありません。利益を得る手段の1つとして充分にメリットがあります。状況に応じて、投資と投機を使い分ければよいだけです。具体的なメリットには以下の2つが挙げられます。
短期間で大きな利益
短期間で結果が分かる
それぞれのメリットを解説しますので、あなたの目的に適しているかを検討してみてください。
短期間で大きな利益
投機には短期間で大きな利益を得られるチャンスがあります。利益を1番の目的としており、結果が出た時点で売り抜けてしまえばよいからです。
投資の場合、長期的な運用を前提としているため、利益率よりも安定性に着目します。そのため、一時的な利率が高くても将来性のない商品は、投資を避けた方が無難です。一方で、投機は短期間の利益が目的なので、利率の高い商品を狙って資金を投入できます。
同じ金額を投入しても、利率の高い商品が利益となるのは当然です。リスクも伴いますが、大きな利益を得られるチャンスがあるのは投機のメリットです。
短期間で結果が分かる
短期間で成果を出せるのも投機のメリットです。結果が早ければ、取引方法の良し悪しがすぐにみえてきます。
商品購入のタイミングが早かったので損失となってしまったのか。または、商品売却のタイミングを遅らせたから利益につながったのか、など結果からは多くの情報を取得できます。
良し悪しが分かれば、取引方法をすぐに改善でき、今後の損失回避に大きく役立つでしょう。少額投機で取引方法を学び、高額投資にチャレンジしてみてもよいかもしれません。
仮想通貨投機のデメリット
投機のデメリットは以下の2つです。
コストがかかる
一気に損失となる危険性
投機は効率的に利益を上げられる可能性がある反面、リスクの高さにも注意が必要です。自己防衛力を高めるためにも、デメリットをしっかりと理解してリスク回避に備えましょう。
コストがかかる
投機のデメリットとして3つのコストが考えられます。
①費用コスト:短期間で何度も取引を繰り返すため、手数料がかさむ
②精神コスト:数時間おきの値動きを確認しないといけないため、仕事中などでも値動きが気になってしまう
③活動コスト:取引の回数が多くなり、何度もPCやスマホを操作しなければならない
少しでも利益を高めるためには、こまめな市場確認が必要です。1回の取引においては小さなコストであっても、積もれば大きなコストとなってしまいます。自身の環境や状況にあわせて、負担の少ない方法で取引しましょう。
一気に損失となる危険性
最も注意すべきデメリットです。投機の商品には、同じく投機目的の人が資金を託していることも少なくありません。そのため、商品の価値に関わらず値動きが変動しやすい特徴があります。
ある時、突然に価格が高騰したり、急に下落したりなどもあるでしょう。少し目を離したすきに大きな損失となってしまう可能性もあります。だからこそ、こまめな市場確認が必要になるのです。
いきなり大金を投入してしまうと大損する危険性もあるため、少額での運用や余剰金で運用しましょう。
仮想通貨投資と仮想通貨投機に向いている人の特徴
投資や投機には向き不向きがあります。仕事が忙しくて市場確認ができない人だと、価格下落に気づかず資金を溶かしてしまうかもしれません。環境や状況に応じた手段で取引しなければ、失敗につながる可能性は高まるでしょう。
あなた自身の適性を知っておけば、失敗は回避できます。以下ではそれぞれの手段に向いている人の特徴をご紹介しますので、あなた自身の環境や状況に照らし合わせてみてください。
仮想通貨投資に向いている人
投資に向いている人の特徴には2つあります。
即金が必要ない
信念をつらぬける
2つの特徴をみていきましょう。
即金が必要ない
即金が必要ないというのは、資金に余裕がある人を意味します。投資の成果がでるのは数年後です。すぐにでも利益を出さなければいけない状況の人には向きません。少しづつでも、地道にコツコツと運用できる人におすすめです。
投資には複利の効果もあるため、長期で運用できるほど効率的に利益をあげられるでしょう。価値のある商品を見極められれば、10年後や20年後に期待以上の利益を得られるかもしれません。
信念をつらぬける
信念をつらぬくことも重要です。株価は常に変動しており、良い時期があれば悪い時期もあります。悪い時期に商品の価値を信じられなくなり、手放してしまうのもよくある話です。
価値ある魅力的な商品であれば、一時的な下落があっても、社会からの評価は徐々に高まるでしょう。周りの意見や市場に惑わされず、商品の価値を信じる強さも時には必要です。
投機に向いている人
投機に向いている人の特徴は以下の2つです。
決断力がある
時間に余裕がある
短期間で結果が出る投機ならではの特徴です。具体的な内容を以下でご紹介します。
決断力がある
短期間で売買をおこなう投機には決断力が必要です。株価が下落している時に「また上昇するかもしれない」「もうちょっと様子をみてみよう」などと、決断を先延ばしにしていると大きな損失につながりかねません。ある程度の損失は仕方ないと、割り切って決断する力は自己資金の防衛につながります。
時間に余裕がある
投機をおこなう際には時間の有効活用が必須です。短期決着となる投機では、こまめな市場チェックが欠かせません。取引所が稼働している時間帯に、仕事などで情報を取得できない人には向いていないといえます。
また、売買を決断するための情報収集にも時間が必要です。これまではどんな傾向の値動きだったのか、今後はどんな動きになりそうなのか、あらかじめ情報収集をしておかなければ、いざという時に決断がにぶってしまいます。
時間を有効活用することで、勝率もグンっと伸びていくでしょう。
投機とするか投資とするかは自分しだい
仮想通貨の購入は投資にも投機にもなります。投資となるか投機になるかは、目的によって異なるからです。どちらの方法で取引するかはあなた自身が決められます。
ただし、取引を始める前にはメリットとデメリットの正しい理解が必要です。理解すればあなた自身の適正も分かり、ムダな損失を抑えられるでしょう。
投機と投資の違いを調べたあなたは投資家への第一歩を歩み始めています。さらに知識を深めて、目的にあった利益の獲得を実現しましょう。